天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

黄梅

鎌倉長谷寺にて

 中国原産。江戸時代初期の頃に渡来。一重と八重のものがある。梅とは関係なく、ジャスミンの仲間だが匂わない。中国では旧正月(2月)頃に咲き出すので迎春花と呼ばれる。鎌倉では、長谷寺瑞泉寺で見たことがある。


      白梅の蘂にとどまる朝日かな
      水音は筧よりくる落椿     
      白梅の蘂がふれたり石の塔


  白梅の蘂にいのちのみなぎりて御霊小路の朝日に震ふ
  椿にも近親相姦ありにけり一木に咲くさまざまの色
  梅の花咲く下の石段を女らがゆく水子地蔵へ
  長谷寺に写経する人多ければ通訳したり般若心経
  江ノ電に揺られてゆけば朝光(あさかげ)の海がまぶしい
  建国記念日


  紅梅に白梅ならび枝垂れたり目白むれ来て花をちらせる