天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ぜんまい

江ノ島にて

 ゼンマイ科ゼンマイ属の多年草で、ワラビと同じくシダ植物。形状はグロテスクだが、若い葉は佃煮、お浸し、胡麻和え、煮物などにして食べられる。漢字では「薇」と書く。


      ぜんまいののの字ばかりの寂光土
                  川端茅舎
      笑ひすぎかもぜんまいのはじけしは
                  片山由美子


  むらさきの綿かづきたる薇の芽に春の日は光をなげつ
                        岡 麓
  ぜんまいの全く開きて木群なすこの寂しさを見下しにけり
                        宮 柊二
  あさなあさな廻って行くとぜんまいは五月の空をおし上げている
                        山崎方代