天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

弘前城&岩木山

弘前城から岩木山を望む

 朝から快晴になった。前日の雨曇りが嘘のようである。青森から弘前まで普通電車で40分ほど。そこからバスで15分程度。どこかの調査では、連休中の人出で最大の場所がここ弘前とのことで、220万人という。自動車と人の列で身動きできないほどであろう。
 弘前公園では本丸跡に立って満開の枝垂れ桜の間からのぞむ雪を頂いた岩木山の姿が最も印象深かった。桜前線を追っかけてきた甲斐があった。
 岩木山は標高1,625mのコニーデ型火山で、津軽富士とも呼ばれる独立峰。山頂部は3つの峰からなる。山岳信仰の対象である。有史上、17世紀から19世紀にかけて数回噴火した。1783年の大噴火では、周囲に火山灰を降らせて天明の大飢饉の一因になった。
 弘前城は慶長16年(1611年)にできた。その天守や櫓などが現存し、城跡は国の史跡に指定されている。


  昨夜の雨あとかたもなく晴れわたりはるかにけむる函館の山
  あのあたり恐山かとたどり見る下北半島大間が港
  植林の杉切り払ひ造成地新幹線をひき入るるため
  寒ければ木々なかなかに育たざり田畑貧しき谷間の村
  この山に生まれたる鳩この谷に生終ふるらしみちのくの里
  畦の辺に黄水仙咲く墓ありて電車がとまる大釈迦の駅
  山裾に雪なだれたる岩木山津軽平野は田を鋤き終へし
  弘前の花はひときは白かりき岩木の山に降りし雪はも
  岩木山八甲田山に雪ふれど津軽平野の花咲きみちぬ
  みちのくとみやこの花を比ぶればひときは白しみちのくの花