天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

昭和の日

げんげ: 横浜市・東俣野にて

 2007年から、4月29日が国民の祝日に加わった。これは昭和天皇の誕生日で、祝日法の一部改正により追加された。趣旨は「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」となっている。ゴールデンウィークのはじまりの日だが、遠出しても人海を漂うような事態になるので、近くの田園を散歩するのが無難である。


      緑地保全地区の田に鳴くかはづかな
      余念なくすずめ水浴ぶ小川かな
      草に寝て空に吸はるる五月かな


  冷蔵庫、武者人形も捨ててあり手入れとどかぬ森の
  小道に


  去年ここに生れし燕かわたりきて病みたるらしも
  落ちてまた飛ぶ


  群なせる鯔の溯上も今は見ず護岸工事の
  なりし街川


  街川の浅き流れに水浴ぶる雀が一羽
  後から一羽


  風かをる昭和記念日に生まれたりキャベツ畑の
  紋白蝶は


  支へ木につる捲きつけて花つけし豌豆の鞘みどり
  さやけき