天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

薊(あざみ)

吾妻山の麓で

 キク科の多年草。野あざみは春から夏に開花し、鬼あざみは初夏から秋に濃紫色の花を開く。


  くらき夜の大寺を吾が出でくれば薊の
  花に稲妻のしつ        川田 順
                       
  あまた湧く心抑へて過ぐる日に春の薊は
  尖りつつ伸ぶ         安永蕗子
                       
  ここを過ぎれば人間の街、野あざみの
  うるはしき棘ひとみにしるす  塚本邦雄
                       

  
      老い母と娘と猫坐る夏あざみ

  老い母と休める娘かたはらに猫も座れる山の辺の道