天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

長者ケ崎

浜大根:長者ケ崎にて

 三浦半島葉山海岸の先端に位置する。特にどうという場所ではないが、葉山御用邸と浜続きにあるので、散策には都合がよい。海水浴時期になると人出で混み合うが、今の時期は、地元の人達を見かける程度で静かなもの。ハマヒルガオハマダイコンハマエンドウなどの花がひっそりと咲いている。


  フジツボの骸しろじろ張り付ける長者ケ崎の岩場かなしも


  生活のかてとなすらむ引潮の磯辺にさがすシッタカの類


  引潮の長者ケ崎の浜にきて浜昼顔の群落に遭ふ


  しやつくりか咽喉つまるかに啼きゐたり長者ケ崎の森のうぐひす


  ぶつぶつとつぶやき聞こゆ引潮の磯の岩場に生けるものあり


  銀色のナイフひらめく引潮の渚に跳ぬる小魚の群


  はぢらひの浜大根の花の色白むらさきが潮風に揺る