天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

開成あじさい祭

開成町あじさいの里にて

 紫陽花の季節になった。神奈川県下には、紫陽花の名所がいくつもある。箱根登山電車沿線、大雄山参道、開成町あじさいの里、江ノ島、鎌倉では成就院参道、長谷寺 等々。
 その季節がくれば、毎年こうした場所に行くことになる。さっそく、6日から14日まで開催される「開成あじさい祭」に出かけた。わが散策ルートも決まっている。小田急線「開成」駅下車、シャトルバスであじさいの里にゆき、農道を花アオイまでめぐってから、酒匂川沿いに下流に歩き、「開成」駅に戻ってくる。今回は「あしがり郷瀬戸屋敷」には寄らなかった。入場が有料になっていたからである。
 酒匂川には、鮎釣の人が大勢出ていた。この時期、鮎の遡上が多いことをよく知っているダイサギも川中にかなり多く見かけた。今回初めて気付いた品種の紫陽花が右上の写真である。「スミダの花火」という。


      足柄の水田吹く風花葵
      鮎釣りを飽かずながむる酒匂川
      竿しなる鮎の友釣り酒匂川
      酒匂川中洲にさはぐ行々子
      釣竿の中洲を下に揚げ雲雀


  水張田の早苗そよげりたたなはる山越えて吹く足柄の風     
  たたなづく山越えてくる雨雲の水音高きあぢさゐの里
  太鼓打ち笛ふき踊る村人の田植終りし足柄の里
  電線に小鳥とまりてさへずれり南足柄あぢさゐ祭
  あぢさゐの色まだ浅き農道を人の行き交ふ足柄の里
  紫陽花の若株植ゑし畦道に雀があそぶ水張田の風
  腰までを水に浸して鮎を釣る中洲の空に雲雀高啼く
  ダイサギが川の浅瀬に佇みて鮎釣る人をながめてゐたり
  鮎釣りをながめてゆける土手の道あかつめ草が川風に揺る