天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花菖蒲まつり

小田原城にて

 小田原城では6日から「花菖蒲まつり」が始まった。雨がやんできた空の下、水溜りに砂をまいてテントの出店の準備をしていた。先日、「あやめ」の項で、時期尚早の花を紹介したが、今が盛りなのである。なお、アヤメは漢字で菖蒲と書く[広辞苑参照]。アヤメがショウブの古称だったからややこしくなった。
 小田原城に行くとどうしても象のうめ子のところに寄ってしまう。そして歌を詠んでしまう。
  

      白足袋がならび弓引く梅雨入かな
      畝ごとに名札立ちたり花菖蒲
      「風の華」白の気高き花菖蒲
      水色のうすき濃きあり花菖蒲
      腰すゑて絵筆はしらす花菖蒲
      紫陽花のなだり見上ぐる天主閣
      坂をくる老婆の背中に実梅落つ
      餌まけばわき立つ緋鯉真鯉かな


  相模川過ぐればやがて酒匂川うたたねの間を電車が走る    
  壁に尻あづけて立てり今日もまた象のうめ子は時もてあます
  観客に水噴きかくる楽しみを覚えし象は還暦を越ゆ
  独り身に六十年を城に生く象のうめ子の陰鮮しき
  朝夕の野菜くだもの楽しみに長生きせしと人は見るらむ