天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ざくろの花

二宮町吾妻山の麓にて

 インド北西部からイランで原産のザクロ科の落葉小高木。わが国には、平安時代以前に渡来していたという。なお、花ざくろは実を結ばない八重咲で、花木として栽培される。



  告白をこばみきたりて修羅の眼のごとき
  朱の花柘榴に向ふ       木俣 修
                      
  フラスコの球に映れる緋の柘榴さかしまにして
  梢に咲けり          葛原妙子
                      
  花石榴ふみにじりつつ慄然たり戦中派死の
  のちも戦中派         塚本邦雄
                      
  暗きもの身にそれぞれにもつものを石榴はしげり
  つひに花咲く         馬場あき子