天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

武相荘

武相荘

 「ぶあいそう」と読む。白洲次郎、正子夫妻が昭和十八年以来、生を終えるまで生活した東京都町田市能ケ谷町の住まいである。第二次世界大戦には、その開戦当初より日本が負けることを見抜いており、当時の養蚕農家を購入して移り住んだ。2001年10月に、旧白洲邸武相荘として、娘の牧山桂子を館長として公開された。入館料が現在、千円。小田急線の鶴川駅で降りて、徒歩20分ばかりのところにある。


  どくだみの花咲く庭のひとところ少しはなやぐ撫子の花
  麦酒、ハム、アイスクリームの模型おく居間のテーブルを
  ソファが囲む


  ほの暗き農家の居間に似つかはし大正ロマンのガラス容器は  
  北窓にむかふ机にありし日の姿とどむる筆記用具は
  丹念に足跡たどり歌を読み心にいたるその著『西行
  RARE OLD SCOTCH WHISKY 贈られし封を切らざるボトル四本
  訪ふ人に老人多き武相荘白洲夫婦の暮らしうらやむ