天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

南瓜

近所の畑にて

 かぼちゃ。ウリ科の蔓性一年草。わが国にはポルトガルから天文年間に渡来。別名、唐茄子。


      砂を這ふ南瓜の花に島の雨
                今井千鶴子

  あかあかと南瓜ころがりゐたりけりむかうの
  道を農夫はかへる      斎藤茂吉
                        
  ゆふづくと南瓜ばたけに漂へるあかき遊光に
  礙(さはり)あらずも    斎藤茂吉
                        
  トレーラーに千個の南瓜と妻を積み霧に濡れつつ
  野をもどりきぬ       時田則雄
                        
  きしきしとカボチャの種を噛みながら少女の
  ころの夢を思へり      俵 万智