天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

七夕

平塚の七夕

 中国伝来の乞巧奠(きこうでん)の風習が奈良時代に定着し、これとわが国の棚機(たなばた)つ女(め)の信仰とが合わさって星祭になった。江戸時代には民間に広まった。天の川で彦星と織姫が逢引をする夜でもあるので、星合ひともいう。なお乞巧奠はもともと女子の手芸上達を祈る祭である。神奈川県では、平塚の七夕が有名。



  七夕の笹の葉がひにかそけくもかくれて星のまたたく夜かも
                        太田水穂
  七夕の日暮れて竹に風早し色紙のいろ流るるが見ゆ
                        宮 柊二
  ぬば玉の牛飼星と白ゆふの機織姫とけふこひわたる
                        正岡子規
  山ふかき猪野々の里の星まつり芋の広葉に飯たてまつる
                        吉井 勇
  星合のおぼろゆふべに橋はのびいづこも他界に近きにあらずや
                        鎌倉千和