天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梅雨晴間1

梅雨の富士山

 神奈川県二宮町の吾妻山に遊ぶ。


      朝光の木末ふれあふ梅雨晴間
      コスモスの風に憩へる吾妻山
      残雪の山の裂け目や富士の嶺
      黒雲の奥に白雲夏の富士
      ひるがへる燕の胸に夢を見て


  水色の銀の尻尾を左右に振り前進したり蜥蜴といふは
  山頂の空をかけりてひるがへる燕の白き胸をまぶしむ
  残雪の形鋭き山肌は幾千年の富士のすぎゆき