バッタ。直翅目バッタ科の昆虫の総称。いなご、負んぶ飛蝗、精霊バッタ、トノサマバッタ など種類は多い。
しづかなる力満ちゆきバッタとぶ
加藤楸邨
精霊ばつた飛んで湖北に島ひとつ
関戸靖子
飛蝗の頭には鋭三角形鈍四角などありて仮睡の
われをとりまく 山下陸奥
紫蘇を食す飛蝗つくづく身の青く汝が息の緒や
かぐはしからむ 山下かね子
錆びつきし錨のごとき影ひきてバッタ死にゐる
海岸倉庫 吉田弥寿夫
吾妹子が昼の休みに捕へ来しいなごを煎り居り
虫の鳴く夜に 結城哀草果
もろ抱きの稲のはがら葉茎に居るからに愚直の心
みゆるぞいなご 馬場あき子
わが母が一日刈田に摘みて来し蝗を食めば草薫りすも
小池 光