天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

立秋の鎌倉長谷

極楽寺

 最近は、以前ほど鰻を食べる頻度が少なくなったが、鎌倉では、由比ケ浜の鶴屋、若宮大路の茅木屋、長谷の浅羽屋、佐助のうな豊 といった店によく通った。特に昔は、若宮大路の浅羽屋を贔屓にしたものである。当時の主人は、連凧ギネスブックに載っていた。
 今回、長谷寺に出かけた際に気付いたのだが、参道沿いの浅羽屋が新装していた。うな重の値段などは、さほど変わっていないので、一度食べに行ってみよう。


      ひぐらしのむくろころがる極楽寺
      極楽寺今年も愛づる百日紅
      門前に酸芙蓉ゆれ極楽寺
      土用波湾曲したる由比ケ浜
      開け放つ西の結界蝉しぐれ
      御霊社はたぶの木蔭の盆踊り
      にこやかに酔芙蓉背に久米正雄
      山水の泡に口開く緋鯉かな
      蝋燭の火影ゆらすも秋の風
      オルゴール硝子の中に海豚飛ぶ
      孔雀啼く山門不幸蝉しぐれ
      秋立つや少し不気味な時計草
      サングラス小麦色なる肌あらは
      立秋のいささか濁る海の色
      立秋の柳街路樹ゆさと揺れ


  育ちたる雛を親からとりあげし孔雀の檻の静かなりけり