天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

睡蓮

大船フラワーセンターにて

 スイレン科の多年生水草。園芸品種には、根茎で花を水面に浮べる耐寒性と、球茎で水面に花柄を出して咲く熱帯性がある。日本に自生するひつじぐさ未草は、耐寒性で7月から10月にかけて白い花をつける。ひつじの刻、つまり午後一時から三時頃に開花するので、この名がついたという。


  睡蓮の花ひらきたりしまらくのひとりごころの
  器なしつつ             島田脩二
                     
  睡蓮は三日涼しく水の面にそのしろたえの花を浮かべつ
                    石田比呂志
  睡蓮の円錐形の蕾浮く池にざぶざぶと鍬洗ふなり
                    石川不二子
  睡蓮の葉はなまけものひつたりと水面に青き己れを伸べて
                    奥村晃作
  ひつじ草音たてて花閉ざしたり少し考えを変え立ちあがる
                    岡井 隆
  ひつじぐさぽつぽと咲いてきまぐれに時の束ねし三人家族
                    永田和宏