天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

紫苑

箱根湿性花園にて

 シオンはキク科の多年草。茎は直立して2メートルほどの高さに揃って群生する。アジア北東部の草原、西日本に広く分布する。鬼の醜草(しこぐさ)、のし、しおに などの呼称もある。秋の季語。



  丈たかく紫苑の花のさける見て日の余光ある
  坂くだりゆく         佐藤佐太郎
                        
  わきて名のかなしきしをんくさぐさのわが病室の
  秋草の花           上田三四二
                        
  道のべの紫苑の花も過ぎむとしたれの決めたる
  高さに揃ふ          大西民子
                        
  ささやきを伴ふごとくふる日ざし遠き紫苑を
  かがやかしをり        相良 宏