天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

蓼(たで)

藤沢新林公園にて

 タデ科一年草。夏から秋に細長い花穂をだし、赤味を帯びた小花をつける。紅蓼の芽は刺身のつまに用いる。


  たでの花ゆふべの風にゆられをり人の憂は
  人のものなる        佐佐木信綱
                      
  わが歩む小野のうへにて蓼の花咲くべくなりぬ
  夏をはりけり        斉藤茂吉
                      
  白々と蓼のしげりに風ふけば秋はまぢかき
  戦場が原          四賀光子
                       
  道のべの残暑のひかりくれなゐの蓼は同じ穂の
  咲き潜るらし        佐藤佐太郎