天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

クリスマス

横浜山手カトリック教会にて

 キリストの降誕祭で、十二月二十五日。その前日がクリスマス・イヴ。わかりきったこと。しかし、次のことは必ずしも自明でない。わが国では、信仰に関係なく子供のいる家庭でも小さなクリスマス・ツリーを飾る。朝起きると、枕元にサンタクロースからのプレゼントが置いてある。祭りといえば、何にでも乗ってしまう国民性によるものか、ともかく楽しもうとする。


     クリスマス仏は薄目し給へり   相生垣瓜人


  クリスマス、その日の霜のいちじるくもの清浄の朝の地の色
                     金子薫園
  明治屋のクリスマス飾り灯ともりてきらびやかなり粉雪降り出づ
                     木下利玄
  しぐるる街逢ふは貧しき顔ばかりひげぬれてゆくサンタクロース
                     大野誠
  こずゑまで電飾されて街路樹はあり人のいとなみは木を眠らせぬ
                     小池 光
  恋人の口から蛸の足先がはみだす星のクリスマス・イヴ
                     穂村 弘