天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

龍の玉

鎌倉長谷寺にて

 蛇の髭の実。蛇の髭は、山林の蔭地に生えるユリ科の常緑多年草で、リュウノヒゲとも。漢方では、ジャノヒゲの根は「麦門冬(ばくもんどう)」といって、鎮咳、解熱、強壮に使われる。


    丈草の墓より貰ふ竜の玉     飴山 實
    竜の玉深く蔵すといふことを   高浜虚子


  じやのひげの瑠璃いろふかくならむ実をそこはかとなく
  あけくれて見ず           斎藤茂吉
              
  雑草におしよせられし竜の髭不憫なり除草のまきぞへとなる
                    吉野昌夫
  暖かき師走の墓に竜のひげうれしげに竜の玉をかくせり
                    馬場あき子