天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

木蔦

足柄森林公園丸太の森にて

 ウコギ科つる性木本で、本州以南の各地にはえる。気根をだして木や岩、壁面、石垣などをよじのぼる。フユヅタとも。



  攀ぢ攀ぢて尾根に出づべし摑みたる木蔦の蔓を引きて身を揚ぐ
                        片山貞実
  あらくれの木蔦の腕(かいな)ふとぶとと一本の杉巻きとどめたり
                        石本隆一
  小康を保てる父は植木鉢ひなたに出せり蔦の木の鉢
                        高野公彦


別種になるが、ブドウ科の蔓性植物の蔦もある。秋には蔦紅葉として観賞される。


  秋こそあれ人は尋ねぬ松の戸をいくへもとぢよ蔦のもみぢ葉
                        式子内親王