天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

朝の鵜

片瀬海岸にて

 片瀬漁港、龍口寺、腰越海岸をぶらぶら歩いた。以前にも紹介したが、片瀬漁港の鵜にまた興味を惹かれた。


    掃くほどに寒椿ちる塔の下
    丘の上に声明湧き来冬の鵙
    花落ちて目白隠るる藪椿


  入りきたる漁船の先に次々にうかび出でたる朝の鵜の群
  しばしして浮び出でたる鵜の鳥の黄の嘴に魚ひかる見ゆ
  浮かび出でて喉嘴の白き鵜がブイに止まりて羽根ひろげたり
  鵜の一羽羽根ひろぐれば次々にまはりの鵜等も羽根ひろげたり
  山上の白きストーパかがやきて目白鳴くなり椿の木蔭
  入水して太宰治が死なしめし女を思ふ小動岬(こゆるぎみさき)