天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

眼鏡

読書に

 ガラスが発見されて以降に工夫されたもの。近視には凹レンズ、遠視や老眼には凸レンズ、乱視には円柱レンズが使われる。現代はコンタクトレンズが、特に女性には普及している。


  むざむざと人は討たれつ読みやめて曇る眼鏡をかなぐりとりぬ
                       松田常憲
  思ひ見ればわれの命もこの一つの眼鏡を無事に保てるごとし
                       柴生田稔
  わがめがねひだりの玉の脱け落ちてしづくのごときは垂りし
  とおもふ                 葛原妙子
                       
  眼鏡して木のよく見ゆるよろこびありかすかなる旅のはての暁
                       田井安曇
  われの眼の吸いよせたりし微塵かや夕べ眼鏡の汚れきわまる
                       和田周三