天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

藤沢市・龍口寺にて

 仏陀の骨や聖遺物をまつるために土石を碗形に盛ったスツーパ(卒塔婆)からきている。中国に伝えられて楼閣と結びつき、現在見るような木造の層塔になった。石造には五輪塔、宝筐印塔がある。


  ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲
                        佐佐木信綱
  山の上のこの夕陰にたもとほり見上ぐる塔のひさしの氷柱
                        川田 順
  いかるがの代掻小田のにごり水ここにも塔の影ひたりたれ
                        吉野秀雄
  時計台動かぬ針のゆがみいて鐘鳴らぬ塔に夕映えは来る
                        武川忠一