天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

花馬酔木

二宮町吾妻山にて

 本州、四国、九州の山地に自生する常緑樹。名は、馬が葉を食べれば苦しむという所からついた。多くの草食哺乳類は食べるのを避け、食べ残される。そのため、草食動物の多い地域では、この木が目立って多くなることがある。


  来る道は 馬酔木花咲く日の曇りー。大倭(ヤマト)し遠き
  海鳴りの音               釈 迢空       
  沙の上にあしびの長き花房の影あるのみにゆふべしづけし
                      岡部文夫
  ゆたかなる馬酔木の花に来て立てり慰まざりし週末の午後
                      扇畑忠雄
  数(かず)花(はな)の白き馬酔木は灯(ひ)映(うつ)りにみどり
  含みて房に垂りつつ           宮 柊二