天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

たちつぼすみれ

松田山にて

 スミレ科スミレ属の多年草。日本を代表するスミレである。北海道から沖縄まで、ほぼ全国の山地に分布する。
万葉集には、菫(すみれ)を詠んだ歌が四首(うち一首は長歌)ある。短歌は次の三首。


  春の野にすみれ摘みにと来しわれそ、野を懐かしみ
  一夜(ひとよ)寝にける


  山吹の咲きたる野辺のつほすみれ、この春の雨に盛りなりけり


  つばな抜く、浅茅が原のつほすみれ、今盛りなりわが恋ふらくは


一首めの山部赤人の歌はあまりに有名か。