天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

深緑の北鎌倉

東慶寺境内

 五月晴れの朝、北鎌倉の東慶寺に寄り源氏山公園を歩いた。深緑の中、鶯、杜鵑、啄木鳥などの声が聞こえてなんとも清々しい。


    たづさへて冥界にあり竹の秋
    うぐひすの声したたれる谷戸の墓地
    ほととぎす文人画家のねむる墓地
    実朝の墓を訪ねて青葉闇
    
  ももいろの牡丹と青き薔薇のあり朝露ひかる秀雄の墓に
  そのかみの縁切りなりし尼寺も駆け込みはなし今男寺
  文人の死後を託せる東慶寺墓のめぐりに筍がでる
  直立てる杉の梢にギイと鳴く啄木鳥の朝雨あがりたり
  昨夜ふりし雨はやみたりひさかたの光やどせる苔の朝露
  俊基卿斬首の場所の石ふりて供へられたるむらさきの蘭
  頼朝の銅像を背にVサイン小学生が写メールに撮る
  俊基の行為称へて大いなる碑(いしぶみ)が立つ葛原岡