天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

さくらんぼ

街路樹のさくらんぼ

 桜桃。バラ科の果樹。日本で栽培されるのは、明治十一年に中国より渡来した生食用の甘味桜桃で、5月に開花、6月に成熟する。


    みちのくの宵の人出にさくらんぼ    福田蓼汀
    さくらんぼ紅さして子の嫁ぎけり    村上しゆら


  色づきて一つ見いでしさくらんぼみれば幾つも葉かげに赤し
                       三ヶ島葭子
  ま夏日の日のかがやきに桜の実熟れて黒しもわれは食みたり
                       斎藤茂吉
  思い出す人ある午後にさくらんぼを並べて作る失恋のうた
                       俵 万智