久しぶりに江ノ電に乗って、極楽寺に行き、成就院、長谷寺、光則寺と歩いた。成就院の参道や長谷寺の山斜面は紫陽花の名所ということで、大変な人出。なんともざわついた光景になる。長谷寺裏手の光則寺本堂の静かな縁側に坐って、鶯の声を聞いていると心も静まる。若い孔雀の啼き声は、聞こえなかった。番いなので沈黙しているのだろう。
紫陽花を背にうつむける写経かな
白百合に花粉のよごれありにけり
鎌倉の谷戸のうぐひす幾世代
うぐひすや朝の読経に加はれる
葉桜の根方に置かれ主待つあぢさゐ色のハンカチひとつ
あぢさゐの参道のぼりふり返る眼下に白き由比ヶ浜浪
梅雨晴れて朝のうぐひす鳴く谷戸に定家葛は白くにほへり