天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

灯籠

江ノ島にて

 先祖の御霊を供養するための灯火であり、特に盆の時期に軒先や庭に吊り下げられる。観光地では、道路沿いに地面に並べられる光景も見かける。すでに紹介したことがあるが、鎌倉八幡宮境内に、八月の旧盆に掲げられる灯籠は、文人、画家、芸能人などが独自に描いた絵や書の燈籠が並ぶ。
右の写真は江ノ島の場合で、道の両側の地面に並べて置かれている。夜には燈明で道の形が浮かび上がる。


  み仏の来ます夕べと軒ごとに蓮の花絵の灯をともしけり
                     伊藤左千夫
  送られし盆灯籠の秋草は君が好みし桔梗なでしこ
                     四賀光子
  火点せば生死ひとへにへだつごと盆提灯の秋草の花
                     高橋鈴之助
  亡き母がいまわれとなりほほゑむを盆灯の灯に明るみて座す
                     馬場あき子