天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

炎暑の植物園

地湧金蓮(大船フラワーセンターにて)

 この炎暑のさなか、植物園を訪れる人など極めてまれである。大船フラワーセンターも例外でなく、汗拭きながら園内を廻る人などほとんど見当たらない。当然であろう、熱帯産植物以外は、われわれ人間同様、暑さにげんなりしているのだ。


     縞々のおもちゃかぼちゃのチャッチャッチャ


  モクレンマグノリア属の常緑樹タイサンボクにつくつく法師
  虫を待ち少しの蜜を滲まする蠅取草のみだらなる口
  大輪は見あたらざりし小輪の色褪せて咲く夏の薔薇園
  陰嚢のごときが垂れて虫を待つうつぼかづらの赤き葉脈
  雲南省からインドシナ半島にかけて咲くとふ地湧金蓮
  芭蕉科の地湧金蓮東海の小島に咲きて人おどろかす
  黄と黒の縞々模様日に照りておもちゃかぼちゃは垣に垂れたり