鯰
ナマズ科。淡水魚で四本の口ひげを持つ。体の表面は粘液に包まれ、鱗はない。初夏、水草に産卵する。イタリア北部の湖で釣りあげられた巨大ナマズは、長さ8.2フィート(2.5m)、重さ250ポンド(約113kg)もあったという。メコンのナマズ Pa beuk では、長さ2.5m、胴回り1.7m、体重180kgに達するものが記録されている。かつては3m、242kgもあるものがいたという。
鯰を短歌に最初に詠んだのはいつの時代か知りたい。万葉集や新古今集には無い。多分に俳句的な題材ではある。夏の季語。
鯰見てもの書けぬ時慰みぬ 山口青邨
雨粒来鯰を押へたる石に 川崎展宏
大鯰生かして昼寢むさぼれる 下田 稔
鯰を、常食として顔痩する独立の志士みな夜を思索しき
香川 進
パン屑を鯉にとられし鯰かな
水面に鯰の小さきまなこかな