天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

金木犀

鎌倉海蔵寺にて

 モクセイ科モクセイ属の常緑小高木樹。原産地は中国南部で、日本には江戸時代に渡来した。雌雄異株だが、日本には雄株しか入っていないので結実しないという。現在でもそうなのか?花冠は白ワインに漬けたり(桂花陳酒)、茶に混ぜて桂花茶と呼ばれる花茶にしたり、蜜煮にして桂花醤と呼ばれる香味料に仕立てたりする。残念ながら一度も食したことがない。多分、中華料理には出てくるのだろう。


  葉をもるる夕日の光近づきて金木犀の散る花となる
                    佐藤佐太郎
  朝戸繰りて金木犀の香を告ぐる妻よ今年のこの秋の香よ
                    上田三四二
  金木犀の香りにふりむく坂道に二十歳の景色モノトーンとなる
                    俵 万智