天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

鯰(なまず)

YAHOOきっず図鑑より

 俳句では夏の季語。肉食夜行性の淡水魚。北海道南部〜九州。中国東部、朝鮮半島西岸、台湾などに分布する。湖沼や河川の中、下流域に棲む。古来から親しまれてきた魚で、絵の題材にもなっている。例えば大津絵の瓢箪鯰。現在、鯰は食用としてはあまり流通していないが、近畿大学が鰻に似た味の鯰の養殖に成功したことから、今後は絶滅危惧種の鰻に替り、広まるかも

     石仏の臼杵の田川鯰ゐる     村上冬燕
     雨粒来鯰を押へたる石に     川崎展宏
     大鯰生かして昼寝むさぼれる   下田 稔


  鯰を、常食として顔痩する独立の志士みな夜を思索しき
                     香川 進


鯰を詠んだ短歌は、これくらいしか見当たらない。もっと詠んでみよう。


  六年をかけてうなぎの味に似る養殖なりし近大なまず
  養殖の近大なまずを味はへば絶滅危惧種のうなぎに似たり
  日本の漁業と食欲おぎなはむ近大まぐろと近大なまず


[注]右上の画像は、「YAHOOきっず図鑑」から。