天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

万葉集勉強会

丘のうえの樹

 八世紀末に大伴家持によって編纂されたという万葉集は、二十一世紀の現代にいたるもその人気は、いささかも衰えていない。日本という国(人・自然・社会)のアイデンティティを確かめる拠り所のひとつなのである。勉強会は各地にある。BS・NHKハイビジョンでは、「日めくり万葉集」(壇ふみナレーション)が放映されている。
 以前にも紹介したように思うが、NPO法人こらぼネット・かながわ「浦島丘中学校コミュニティハウス」では、万葉集を学ぶ会があって、毎年、活動結果の小冊子(非売品)を発行している。そのメンバーである川井怜子さん(「短歌人」所属)から、最新版2011年号を頂いた。どのような事項が学ばれているか、以下に箇条書きにしておく。

  文化・国際
    *生駒山 *天の家具山は女神さま *枕詞の今昔
    *『万葉二千歌碑』 *万葉集の古写本に出会って 
    *万葉集の成立と家持 *大伴家持を知って思うこと
    *つれづれに *百人一首万葉歌人と阿部仲麻呂
    *万葉の世紀―遣唐使―その光りと影 
    *万葉の時代と遣唐使

  自然・生活
    *月 *月の船 *「KUMO」の凱旋門 
    *『鶴の話』鶴の歌 *食を考える *息子
    *ますらおの恋 *海ゆかば  *朗読の効用
 
 万葉集については、古来、膨大な研究がなされているので、容易なことではないが、こうした活動を持続することで、思わぬ新発見がでてくるのでは、と期待される。
 ちなみに、枕詞を現代短歌に生かした歌集に、高橋睦郎『爾比麻久良(にひまくら)』(思潮社、1992年刊)がある。全歌が枕詞を使っている。後日、取り上げてみたい。