天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

梛(なぎ)の木

伊豆熱川にて

 マキ科の常緑高木。雌雄異株。雄花穂は黄白色で円柱形、雌花は緑色で葉腋につく。材は緻密で、家具などに使われる。


  檐(のき)の上にさやぐ梛の木春を経て音やはらかし
  古葉散りつつ            若山貴志子


  伊勢の海(み)を熊野の海と続ければ即ち来り生ひし
  梛(なぎ)の木            尾山篤二郎


  原稿の束を置き来し安らぎに寒かぜよせて竹柏(なぎ)
  の葉を賞づ             鹿児島寿蔵