天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

小判草

江ノ島にて

 稲科コバンソウ属の一年草で地中海沿岸地方が原産。明治初年に渡来し、観賞用に栽培された。タワラムギとも言い、夏の季語になった。


     奥入瀬の風が揺らすよ小判草   石川星水女
     舟を待つ夕日の色に小判草    浜 福恵


  亡きを偲ぶ木草年々に殖えゆきて今日は佇む小判草のまへ
                     吉田正俊
  金婚は来らず金塊も持たずこばん草などの種を蒔く
                     斎藤 史
  小判草庭に植ゑたり裕福の思ひに坐り部屋より出でず
                     島崎栄一