天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

月見草

横須賀菖蒲園にて

 北米原産のアカバナ科の二年草。夕方開花し、翌日の日中にしぼむ。葉は細長く鋸歯状。江戸時代には栽培されていたが現在はあまり見られない。近縁のマツヨイグサ、オオマツヨイグサを指すことが多い。いずれも北米原産。これらは、次の竹久夢二の歌「宵待草」で有名になった。


  待てど暮らせど来ぬ人を
  宵待草のやるせなさ
  今宵は月も出ぬさうな


  青草のなかにまじりて月見草ひともと咲くを
  あはれみて摘む         若山牧水


  月見草の萼を破りて咲かしめし一ときの悔い
  まだなまなまし        五島美代子


  ところ嫌はずはびこる琉球月見草咲きてかがやく
  春深むらし           吉田正俊


  月満ちて千年が過ぎ月欠けて千年が経ち月見草咲く
                  三木アヤ