天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

冷奴(ひややっこ)

わが食卓

 面白い命名だが、たぶん、「ひやっこい」という方言からきたものだろう。冷した豆腐を四角に切り、葱、青紫蘇、鰹節などの薬味を添えて、生醬油あるいは柚醬油をかけて食べる。奴豆腐とか冷豆腐とも。


  奴豆腐をわが欲る夕べ門にたちちんちん豆腐を左手は
  待ちをり                橋本徳寿


  夕めしの冷し豆腐をすする我に青き稲妻しきりに起る
                     稲森宗太郎


  奴豆腐は酒のさかなで近づいて来る戦争の音を聞いている
                     山崎方代



  バーボンに焼けたる咽喉(のみど)しづめんと箸に掬へる
  冷奴あはれ