家族で子供たちと遊ぶ規模の花火のうたをあげる。
手花火を命継ぐ如燃やすなり 石田波郷
花火屑おしろい花に掃き寄せて 細見綾子
昔せし童遊びをなつかしみこより花火に余念なし
われ 正岡子規
平凡に堪へがたき性の童幼ども花火に飽きてみな
去りにけり 斎藤茂吉
縁台は線香花火が照らし出す団欒にぎやかにて宵
しばしあり 筏井嘉一
しゆんしゆんと線香花火の火のまろみ心幼く耐へて
ゐむとす 穂積 忠
鼠花火の白き子の脚くぐりぬけ楡の根方にふつと
消えたり 時田則雄
向きあいて無言の我ら砂浜にせんこう花火ぽとり
と落ちぬ 俵 万智