天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

イナゴ

イナゴーWikipedia より

 稲子はバッタ科イナゴ属の昆虫の総称。日本ではハネナガイナゴ、コバネイナゴ、エゾイナゴの3種が代表的。注意すべきは、大群で移動するのはイナゴでなくトノサマバッタ類で、漢字の蝗を当てる。それは文字に「皇帝」の「皇」を含んでいることから理解できる。従ってわが国でイナゴに蝗を当てるのは誤用。稲を食べる害虫だが、近年の農薬の普及で稲田にもほとんど見かけなくなった。それまでは、イナゴは佃煮にして食べるほど多く跋扈していた。


     背の子は空見て唄ふ蝗捕り     加藤知世子
     月山のひねもす見ゆる蝗とり    飯塚田鶴子


  いなごまろうるさく出でてとぶ秋のひよりよろこび人豆を打つ
                      橘 曙覧
  草原は夕陽深し帽ぬげば髪にも青きいなご飛びきたる
                      若山牧水
  死際に力のかぎり伸したる蝗の脚のとげとげしもよ
                      植松寿樹
  吾妹子が昼の休みに捕へ来しいなごを煎り居り虫の鳴く夜に
                      結城哀草果


[注]右上の写真は、WEBの「イナゴーWikipedia 」の画像を引用・トリミングした。
   http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%82%B4