天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

江ノ島風物詩(2)

児玉神社の入口にて

 江ノ島の児玉神社は、日露戦争で戦功をたてた児玉源太郎を神として祀っている。その児玉源太郎の逝去を悼んで詠んだ山県有朋の歌の碑がある。次のように書かれている。

     児玉藤園の身まかりける日
     讀ける   有朋
     越えはまた里やあらむと
             頼みてし
     杖さへをれぬ老のさかみち


江ノ島には、やたら野良猫が目につくが、なんと飼い猫をここに捨てに来る人たちがいるというから、開いた口が塞がらない。


     竜宮の瑞心門とぞ石蕗の花
     花八手亀甲石の由来読む
     噴き上ぐる潮の香に揺れ枯尾花


  猿三十六匹が讃ふ山王神石柱として道の辺にあり
  つはぶきの濃みどりの葉に育まれ黄の花咲けり江ノ島の杜
  黄の色に間近く寄れば朝光にするどく匂ふつはぶきの花
  江ノ島に猫捨てに来る人あれば道の辺に置く猫募金箱