天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ペンギン

テレビ映像より

 ペンギン科の鳥の総称。6属17種いる。南半球の南部に生息。北極にはいない。シロクマが南極にいないと同様、生物の不思議を感じる。コウテイペンギン、オウサマペンギン、コビトペンギンなど。稀に人鳥と書くが、これは右のような情景を見れば、納得できる。日本では、江戸後期に蘭書によりごく一部の人々知られていた。一般に知られるようになったのは、明治後期の日本人の南極探検からである。そのこともあってか、俳句の季語になっていない。


  日本脱出したし 皇帝ペンギン皇帝ペンギン飼育係りも
                     塚本邦雄
  後ろ手に餌の順を待つペンギンの冠毛(とさか)吹かれて
  寒き夕ぐれ              石本隆一


  ペンギンの輝く胸の手ざはりを飼育係のわれは知りをり
                     中西輝磨
  恥知らずそれはペンギン羽撃(はばた)けど翼とならぬ歌
  の数々               佐佐木幸綱


塚本邦雄の歌は、前衛短歌の代表作として有名。