天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

早春賦1

田浦梅林にて

 横浜市の舞岡公園は里山なので、バードウォッチングが盛んである。時期にもよるがシギやジョウビタキなども見ることができる。よく見かけるのは、翡翠や鷺である。
 何度も書いて恐縮だが、今年の梅の開花は本当に遅い。このままだと桜の開花と重なる場所もあるか、もしくは桜も遅れるのだろうか。横須賀市の田浦梅林も開花にはほど遠い感じであった。この梅林の山の頂には、桜の林もあるので、もしかしたら梅と桜と同時に咲いた情景が見られるかも。見晴し塔の近くに早咲きの白梅が一本だけ目立った。


     雪解けて夫婦(めをと)ほほゑむ道祖神
     ギイと啼き梢をうつるコゲラかな
     梅林のつぼみは固し水仙
     宿り木をあらはにしたる冬木かな


  アオサギが首のばし見る溜池に春のいのちを育めるもの
  池の上に伸びたる枝をとびうつる目白の群の黄緑の春
  啄木鳥の梢うつ音たからかに小谷戸の里の春を告げたり
  逆さまになりて木肌をはがしゐる台湾栗鼠は歯を研ぐらむか
  道なりに水仙の花咲きそろふつぼみは固き田浦梅林
  開花には一月早き梅林の道沿ひに咲く水仙の花