天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

犀(さい)

富士サファリパークにて

 奇蹄目サイ科の総称。第三紀後半に繁栄したが、現在ではクロサイ、シロサイ、インドサイ、ジャワサイスマトラサイの五種類が棲息するだけになった。体重は1トンから4トンに達する。シロサイが最も重い。草食性。嗅覚・聴覚は鋭いが、視覚は鈍い。


  うき身には犀の生(いき)角(つの)えてしがな袖の涙も
  遠ざかるやと               寂 連


  犀の角雨をはじきて東京に流れ着きたるもの見つめ合う
                      三枝繡之
  テレビには犀の結婚ほのぼのと映りゐてわが戯画のごとしも
                      荻原裕幸
  皺みたるまぶたを持てりこの犀はいかなる善人のなれの
  はてなる               杜澤光一郎