天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

桜狩(3)

鎌倉若宮大路段葛にて

 わが住いの近くには、東海道・鉄砲宿があり、桜並木が花盛りになっている。それで鎌倉の花の情況はいかにと様子を見に出かけた。春まつりは8日から始まっていて15日まで続く。若宮大路の段葛は桜の満開であった。両側に近くの店の名前を書いた雪洞が吊るしてあり、隙間なく並んでいる。まさに今が見ごろである。その後、寿福寺の墓地から源氏山に向かったが、残念! もう花は大方散って、葉桜になっていた。山桜なのでソメイヨシノが満開になる頃には散ってしまうのだ。葛原ケ岡の神社前にはまだ咲いていたので、ソメイヨシノであろう。そこから浄智寺へと山道を歩いてきた。


     桜咲くPAC3の配備終へ
     移り住み四半世紀の桜かな
     ぼんぼりに花ちりかかる段葛
     古りし木の切り株に咲くすみれ草
     花越しに頼朝が見る市街かな
     藤蔓やからみからみて谷を越ゆ
     鎌倉や塔頭はみな花の奥
     警策の音森閑と桜かな