天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

半夏生

茅ヶ崎市日本庭園にて

 気候では、72候の内のひとつで夏至から十一日目の7月2日頃にあたる。植物では、薬草の一種。葉の半分が白いことから、化粧が半分(半化粧)という意味もある。


     汲まぬ井を娘のぞくな半夏生    言水
     水がめに虫の湧きたり半夏生    上村占魚
     半夏生採血手ぎはよかりけり    行方克己


  半夏生水あふれ竹の根を洗ふかく激しきを若きものは持つ
                      春日井荇
  夢前川(ゆめさきがは)の岸に半夏(はんげ)の花ひらく生き
  たくばまづ言葉を捨てよ         塚本邦雄


  汲み置きし八ツ手がもとの井の水を白蝶飲みをり今日半夏生
                      尾崎敏子