天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

ヨット

江ノ島ヨットハーバーにて

 三角の帆を張り風をはらんで海原を走る小型の西洋式帆船。


     競ふとも見えぬ遠さのヨットかな   三村純也
     漁港ともヨットハーバーともつかず  吉岡翠生


  船溜りに冬のヨットら帆檣の鋭き針の何指すゆらぎ
                       高安国世
  ヨット一艘丸ごと洗ひたし十一月の洗濯日和どこまでも青
                       青井 史
  つながれて動く限界知りているヨットに夜霧が密度濃くせり
                       京元公子
  早春のヨットハーバーを船乗りの夫婦にあらねどふたりは歩む
                       岩井謙一
  明日は夏至 永久に帰れぬあの夏のヨットの真赤 なしくずしの死
                       藤原龍一郎