天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

運動会

藤沢市のとある小学校校庭

 現在では十月の体育の日の前日か前々日に開催するところが多いようだ。田舎の学校の運動会では、念入りに弁当を作って家族総出で見に行くという情景が見られる。昼食を家族と共に見学席でとったことの思い出は、いつまでも懐かしい。
 なお、右の画像は小学校の運動会の予行演習の情景。


     運動会の少年ヨードチンキ塗る   加藤かけい
     天が下運動会をくりひろげ      清崎敏郎
     他人の如く運動会の妻踊る      冨田直治


  鬱ふかきわれを少年は連れ走る借物競争の借物として
                      米川千嘉子
  騎馬戦のわが子の一騎はまだ無事でひたすら逃げる逃げよと思ふ
                      今野寿美
  秋の野にひらかれてゐる運動会遠く見ゆれば散華のごとし
                      江口百代
  〈髪の長いお母さん〉なれば借りられて運動会の少女と走る
                      小林幸子


 大学生の時に、たまたま岩手県の山奥の高校の運動会を見たことがあったが、閉会式近くに全校生徒が「高校三年生」や「青い山脈」を唄った光景は、感動して胸がキュンとなってものである。