天野 翔のうた日記

俳句はユーモアを基本に自然の機微を、短歌は宇宙の不思議と生命の哀しさを詠いたい。

滝平二郎のきりえを詠む(1)

滝平二郎のきり絵から

 朝日新聞に連載された作品集『滝平二郎きりえ画集』講談社(著者肉筆署名入り)をアマゾンで購入し、一部を俳句・短歌に詠んでみた。姉弟、父母、第三者の筆者 どの立場で詠むかにより口調が変わってくる。


     姉ちゃんに背負われて見る彼岸花
     下駄の緒が切れて見上げる赤とんぼ
     玉入れの籠は高いよ運動会
     毒茸と見れば打ち打つ茸狩り
     姉ちゃんも下駄もきれいだ七五三
     母ちゃんと薪を背負う枯木立


  夕去れば姉はランプに火を点し二人並んで読書続ける
  姉ちゃんは菊の模様の着物着て得意顔なり誰に見せるの
  舟が待つ岸辺に下りる姉ちゃんの花嫁すがた橋に見送る
  父ちゃんが晩酌をする囲炉裏端私は肩をたたいてあげる
  母ちゃんは弟を抱きわたくしは少し離れて鍛冶屋見ている